【ポストCookie】規制の流れと広告影響|主要7媒体のコンバージョンAPIとは
世界的なプライバシー保護強化の流れに伴い、よく耳にするようになった「ポストCookie」。ポストCookieとは、プライバシー保護の強化に伴って、これまでマーケティングで活用されていた3rd party Cookieが使えなくなる時代を意味します。
この記事では、ポストCookieのデジタルマーケティングへの影響やCookie規制について詳しく解説します。
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ポストCookieによるデジタルマーケティング業界の変化
3rd party Cookie排除によるポストCookie時代への移行は、デジタルマーケティング業界に大きな変化をもたらしています。
世界的にプライバシー保護の動きが加速
そもそもCookieとは、スマートフォンやパソコンなどのブラウザでWEBサイトを閲覧した際に、ユーザーのログインIDやアクセス履歴、訪問回数などの情報が保存される仕組みです。
Cookieを通して、どのようなユーザーが自社サイトに何回訪問されているか、どのような商品を買ったことがあるかを把握できます。ターゲットを絞りやすいため、マーケティングにも多く利用されていますが、Cookieは個人情報を保存する仕組みでもあります。
そのため、Cookieを活用して得た情報をもとにした広告を受け取ったユーザーからすると、「第三者に個人情報が使われている」と感じるケースも少なくありません。
年々プライバシーの保護が重視されていき、2018年には欧州にて「EU一般データ保護規則(GDPR)」が施行されたり、2020年にはカリフォルニア州で消費者プライバシー法(CCPA)の適用が始まったりと、世界的にプライバシーの保護が強化されています。
プラットフォームにおける規制の状況
プライバシー保護の流れを受けて、ブラウザやアプリでもCookieを規制する流れが起こっています。
ブラウザ|3rd party Cookieの利用停止
Googleは、2024年後半から、Chromeブラウザでの3rd party Cookieを順次廃止します。*¹
Meta、LINE、Yahoo!、X(旧Twitter)、TikTokをはじめとした他のプラットフォームでもCookieを利用した計測やターゲティング配信が進んでいますが、主要ブラウザ全てで3rd party Cookieの利用は完全に停止される予定です。
Apple社が提供している「Safari」では特に規制が厳しく、既に3rd party Cookieは全面ブロックされており、Safariユーザーに対しては、3rd party Cookieを使ったトラッキングや広告配信はできない状況となっています。
*¹出典:The Privacy Sandbox「ウェブ向けのプライバシーサンドボックスのスケジュール」
アプリ|Cookieブロックの拡大とIDFAが許諾性に変化
Appleは提供するSafariのみでCookieをブロックしています。iOSではIDFAについて、ATT(App Tracking Transparency:Appleのユーザープライバシー機能)で許諾制になっています。
それまでは、ユーザーの行動追跡に対し、デフォルト設定が「許可」の状態である「オプトアウト方式」でした。しかし、現在では、ユーザーによる明確な許諾が必要であるため、デフォルト設定が「不可」の状態であるオプトイン方式に移行しています。
トラッキングの許諾制により、IDFAの取得が難しくなり、リターゲティングリストが減少、その結果、ターゲティングの精度が低下するといった影響が見られ始めています。
3rd Party Cookie規制によるデジタルマーケティングへの影響
3rd party Cookieが利用できなくなると、どのサイトをどのユーザーが閲覧したのかが分からなくなってしまうため、流入経路が不明になり、チャネルごとの予算投下判断が正確にできなくなります。
また、広告では、リターゲティング配信や類似配信のインプレッション数が減少したり、フリークエンシーの調整が難しくなったりします。結果、コンバージョン率が低下し、顧客単価が上昇する可能性があります。
Cookie規制への対策
Cookie規制による影響を解説してきましたが、各プラットフォーマーはそれぞれ対策を進めています。
コンバージョンAPIの登場
Cookie規制の流れを受けて、各社がコンバージョンAPIをリリースしました。
これまでは、広告の成果をブラウザから直接プラットフォーマーに通信する仕組みでしたが、コンバージョンAPIではサーバー経由でプラットフォーマーにデータを通信します。
コンバージョンAPIの技術により、ユーザーのプライバシーをより考慮したデータ計測が可能になることに加えて、1st party data活用が行いやすくなります。
上記より今後はブラウザでの計測に加えて、コンバージョンAPIを利用した計測を行うことを推奨いたします。
各プラットフォームがコンバージョンAPIに一斉に対応
2019年を皮切りに、各プラットフォームがコンバージョンAPIに一斉に対応しました。そこで、本記事では、各プラットフォマーによるコンバージョンAPIのリリース時期や詳細をまとめました。
■Meta
各プラットフォーマーの中でも一番早く、2019年9月に「Server-side API」としてリリースし、その後、2020年7月に「Conversion API」に名称を変更しています。
当社調査による情報(2023年7月現在)
Metaの事例はこちら
■Google
2021年9月に「拡張コンバージョンベータ版」をリリースしました。
参照元:https://support.google.com/google-ads/answer/11192862
Googleの事例はこちら
■LINE
2022年9月に「LINE Conversion API」の提供を開始しました。
参照元:https://data.linebiz.com/solutions/conversion-api
LINEの事例はこちら
■Yahoo!
2022年10月に、ディスプレイ広告でコンバージョンにおける詳細マッチングの提供を開始しました。
参照元:https://ads-promo.yahoo.co.jp/support/release/30364738.html
Yahoo!の事例はこちら
■X(旧Twitter)
2023年3月に「コンバージョンAPI(CAPI)ベータ版」の提供を開始しました。
参照元:https://twitteradsjpcommunity.zendesk.com/hc/ja/articles/8398506970009
Xの事例はこちら
■TikTok
2022年12月に「Events API」の提供を開始しました。
当社調査による情報(2023年7月現在)
Tiktokの事例はこちら
■Pinterest
2022年10月に「Pinterest コンバージョン API 」の提供を開始
参照元:https://newsroom.pinterest.com/ja/post/conversion-api
ONE’s Dataは国内主要7つのプラットフォームへの対応が可能
各プラットフォーマーのコンバージョンAPIに対して個別に対応する場合、各媒体の調査や実装、保守が必要となり、一定の工数がかかることが想定されます。
こうした課題を解決するために、オプトでは、2021年6月からONE’s Dataという総合データ活用プラットフォームを開発・提供しています。提供開始から約8カ月で、導入社数は100社を突破しました。
Meta、Google、LINE、Yahoo!、X(旧Twitter)、TikTok、PinterestのコンバージョンAPIと連携しており、Cookie規制に対応した広告配信や計測をワンストップで提供します。
特にMetaでは、「Meta Agency First Awards 2023」において、MetaコンバージョンAPI(CAPI)を導入し、最もキャンペーン最適化を促した広告代理店に送られる「Best Solution (CAPI部門)」を国内初、代理店で唯一受賞しました。
また、コンバージョン補完の機能も搭載しており、Cookie規制やADブロック、クロスドメインによる計測欠損へのデータ補完も実施しています。さらに成約データなど、Web以外の顧客データをONE's Data上に取り込みマーケティングへの活用も可能です。
ONE's DataはWEB行動データやAPP行動データ、基幹システムのデータも集約できるため、広告だけでなく、CRMの分析などへもご利用が可能です。
まとめ
Cookie規制の動きは、今後もデジタルマーケティングに大きな影響を与えます。広告との関連では、コンバージョンの計測不備や顧客単価の上昇につながる可能性もあるでしょう。
こうした流れを受けて、各プラットフォーマーはCookie規制対策として、データをサーバー経由でプラットフォーマーに通信する「コンバージョンAPI」をリリースしています。
今後、全ブラウザで3rd party Cookieがブロックされる予定のため、2024年以降には、コンバージョンAPIのデータを活用したマーケティングが選択肢の一つになります。
主要7媒体と連携しており、ポストCookieにおける計測に対応したDMP「ONE’s Data」の詳しい説明は、サービスサイトをご覧ください。
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