Meta(Facebook・Instagram)広告運用の基本|配信面・広告の最適化
Meta広告は、機械学習を採用しています。広告配信の最適化を目指す基本的な学習を完了させて、効率良く広告を配信するためには、広告を速やかにアクティブな状態にしましょう。アクティブな状態とは、広告運用が最適な状態であることを指します。
今回の記事では、Meta広告の運用について解説するシリーズ第三弾として、最適化設定が必要な項目を紹介します。
シリーズ第一弾として、Meta広告のアルゴリズムとそれに応じたアカウント構成を解説した記事はこちらです。
シリーズ第二弾として、「配信対象の最適化」について解説した記事はこちらです。
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目次[非表示]
- 1.配信面の最適化を目指すための四つのポイント
- 1.1.ポイント1|配置最適化を利用して配信機会の最大化を目指す
- 1.2.ポイント2|PO設定を活かすためのクリエイティブサイズ
- 1.3.ポイント3|コンバージョンの最大化を目指すための推奨入札戦略
- 1.4.ポイント4| Advantage類似オーディエンス
- 2.広告の最適化を目指す五つのポイント
- 2.1.ポイント1: ユーザーごとの最適化を目指すために複数フォーマットを活用すべき
- 2.2.ポイント2:アセットカスタマイズにより広告本数をスリム化
- 2.3.ポイント3:広告はインプレッションシェアで評価する
- 2.4.ポイント4:同時掲載本数は上限五本を推奨
- 2.5.ポイント5:カルーセルの活用
- 3.運用では、効果の高いクリエイティブを順番に回すことが重要
- 4.まとめ
配信面の最適化を目指すための四つのポイント
Meta広告は、Facebook、Instagram、Messenger、Audience Networkなど数多くの配信面を有しています。
Meta広告では、それぞれの配信面に広告を掲載することを「配置」と呼びます。広告を掲載するには自動で配置するか、手動で配置するかのいずれかです。Meta広告には、機械学習が取り入れられているため、まずは、自動配置の選択をおすすめしています。
自動配置にすると、広告最適化システムにより、広告のパフォーマンスの良い配置方法をMeta広告が学習し、多くの予算を配分できるようになります。
その上で、以下では配信面の最適化を目指すための四つのポイントを解説します。
- ポイント1 配置最適化を利用して配信機会の最大化を目指す
- ポイント2 配置最適化設定を活かすためのクリエイティブサイズ
- ポイント3 コンバージョンの最大化を目指すための推奨入札戦略
- ポイント4 Advantage類似オーディエンス
ポイント1|配置最適化を利用して配信機会の最大化を目指す
配信機会の最大化を目指すためには、配置最適化(PO:Placement Optimization)を活用しましょう。Meta広告の各配信面を横断しての広告掲載が可能です。
それぞれの広告に単体配信するよりも、PO配信を活用して複数の広告を配信した方が、より多くのコンバージョンが期待できます。
ポイント2|PO設定を活かすためのクリエイティブサイズ
PO配信を利用するためには、それぞれの広告配信面に適したサイズのクリエイティブを準備します。
配信面により、広告サイズは正方形から横長、縦長とさまざまです。そのため、配信面に合ったサイズでクリエイティブを制作し、入稿することを推奨しています。
ポイント3|コンバージョンの最大化を目指すための推奨入札戦略
Meta広告における入札戦略は、「コンバージョン最適化×自動入札(最小単価)」の設定を推奨しています。
また、最適化のアトリビューション設定(広告をクリックしたユーザーが、コンバージョンに至るまでの期間を選択する項目)は、計測ツールのコンバージョンに合わせることを推奨しています。例えば、計測ツールにおいて、コンバージョンを計測する期間を七日間に設定している場合、Meta広告のコンバージョンウィンドウにおいても七日間に設定します。
ポイント4| Advantage類似オーディエンス
Meta広告には、機械学習により広告パフォーマンスが上昇すると判断した場合に、類似オーディエンスにもターゲット設定を拡大する機能があります。従来は「興味関心」でターゲット設定をした場合に適用されるものでした。
2020年のアップデート以降、類似オーディエンスでも適用可能になっています。ターゲット拡大機能を活用すると、広告配信対象が広がるとともにインプレッションの増加を促し、パフォーマンスの向上も期待できます。
Meta広告の管理画面で、類似オーディエンスの拡大という項目にチェックを入れることで。ターゲット拡大機能を活用できます。
広告の最適化を目指す五つのポイント
ここからは、広告の最適化を目指すうえで大切なポイントを五つ解説します。
- ポイント1 ユーザーごとの最適化を目指すために複数フォーマットを活用すべき
- ポイント2 アセットカスタマイズにより広告本数をスリム化
- ポイント3 広告はインプレッションシェアで評価する
- ポイント4 同時掲載本数は上限五本を推奨
- ポイント5 カルーセルの活用
ポイント1: ユーザーごとの最適化を目指すために複数フォーマットを活用すべき
Meta広告の機械学習は、ユーザーごとに適用されます。そのため、ターゲットユーザーが普段からよく閲覧しているフォーマットで広告が配信されます。
例えば、普段から動画をよく閲覧するユーザーには、動画広告が表示されます。広告の最適化を目指すためには、最初の段階では複数のフォーマットで広告を配信しましょう。広告が配信されるにつれて、反応の多い広告の絞り込みができるようになります。
ポイント2:アセットカスタマイズにより広告本数をスリム化
Meta広告では、Facebookにおける複数の掲載フォーマットや、Instagramをはじめとする他の掲載面への広告配信も一括して管理できます。しかし、フォーマットも多岐にわたり、ユーザーの利用目的も異なるため、同じ商品やサービスの広告を出す場合でもクリエイティブの作り方は異なるでしょう。
配信面に合わせてクリエイティブの内容を変更するためには、広告セットを分割して作成する方法もあります。しかし、情報収集期間を短縮しコンバージョン最適化機能を効果的に使用するためには、広告セットを可能な限り統一してデータを集約することが重要です。
その際には、配置ごとのアセットカスタマイズ機能の使用をおすすめします。配置ごとのアセットカスタマイズ機能では、一つの広告に対して複数のクリエイティブ素材を設定できます。
例えば、広告Aに対し、Facebookのニュースフィードには商品のみの画像を掲載し、Instagramのストーリーズに使用する画像は人と商品を組み合わせた画像にするといったことが可能になります。
オプトが支援した事例のなかには、Instagramのストーリーズでアスペクト比9:16の画像を設置したことで配信が伸びた事例もあります。
ポイント3:広告はインプレッションシェアで評価する
Meta広告は、広告が追加されてから三日間は各配置先でパフォーマンスを予測して配信を実行します。四日目以降は、最初の三日間に配信した広告のなかでパフォーマンスの良い広告に集中して配信を実行します。
Meta広告は、新しい広告が掲載されるたびに、予測フェーズに移行し配信比率を高めようとします。各広告の効果を評価する指標は、配信比率の大きさです。
そのため、評価する指標としてインプレッションシェアを活用しましょう。各クリエイティブが実際に表示された回数を全ての合計表示回数で除すると、インプレッションシェアを算出できます。
ポイント4:同時掲載本数は上限五本を推奨
Meta広告は、登録された広告のなかでパフォーマンスの良い広告の配信数を伸ばそうとします。各広告の表示回数は均等ではなく、パフォーマンスの結果次第であり、本数を多く出稿してもインプレッションシェアが分散される傾向があります。
オプトの調査結果によると、広告のインプレッションシェアは、パフォーマンスが良い広告の上位一つから二つが全体の70%以上を占めていました。このように、パフォーマンスの良い広告に配信が偏るため、広告の同時掲載本数は上限五本を推奨します。
ポイント5:カルーセルの活用
Meta広告の機能のなかに「カルーセル広告」という機能があります。カルーセル広告は、一つの広告のなかに、複数の画像、動画、URLなどを設定できる広告形式です。
広告を閲覧するユーザーは、広告の画像や動画をスマートフォンでスワイプし、二枚目以降の画像や動画を閲覧できます。
カルーセル広告の特徴の一つは、それぞれの画像や動画ごとにCTAボタンやURLを設置できる点です。また、効果の高い画像や動画を一枚目に変更する機能が備わっており、複数の画像や動画のなかで最適化を目指すことができます。
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運用では、効果の高いクリエイティブを順番に回すことが重要
Meta広告を運用するうえで意識したいポイントは、広告効果が高いクリエイティブを順番に回すことです。
Meta広告は、パフォーマンスの良い広告に配信が偏る傾向があります。効果の高い広告は常に上位表示されるため、クリエイティブの摩耗が発生しやすいのがデメリットといえます。
クリエイティブの摩耗とは、同じ広告が何度も表示されることで、ユーザーが見飽きてしまい、CTR(クリック率)が低下することを指します。
効果の高いクリエイティブが複数ある場合、同時配信を避けて、一週間ごとにクリエイティブを切り替えながら運用すると、クリエイティブの摩耗を軽減できるでしょう。
また、摩耗が発生している場合は、広告の複製入稿を行うことで応急処置を実施できます。オプトの調査では、摩耗が起きたクリエイティブを複製したものに切り替えたことで、クリック率に改善の傾向が見られました。
まとめ
今回は、Meta広告のなかで最適化設定が必要な項目の「配信面の最適化」と「広告の最適化」について解説しました。
Meta広告を運用する際は、機械学習による情報収集期間を経て、コンバージョン最適化機能が有効になった状態を早期に目指すことをおすすめします。Meta広告はログインデータをもとにしたターゲティング機能が優れているため、パフォーマンスの安定が期待できます。
一方で、クリエイティブの摩耗や品質スコアの低下など、注意が求められる点もあります。今回紹介したポイントを参考に、広告運用の効率化を目指してみてほしいと思います。
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