Meta(facebook・Instagram)広告運用の基本|3つの最適化ポイント
Meta社では、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppへの広告(以下、「Meta広告」)配信が可能です。
Meta社は2023年4月26日に2023年度第1四半期(1月〜3月)の業績ハイライトを発表しました。それによると、Meta社が提供しているプラットフォーム全体の月間アクティブユーザー数は全世界で約38億1,000万人となり前年より5%伸長しています。
一方、日本国内におけるSNSの利用者は約8,270万人⁽*¹⁾となっており普及率は82%を占めます。Facebookはビジネス目的の利用者が約2,600万人⁽*¹⁾、Instagramは趣味嗜好でつながる利用者が約3,300万人いるため⁽*¹⁾、両メディアとも広告戦略においても無視できないプラットフォームです。
また、2023年7月には「Threads」というテキストベースでのSNSがローンチされました。現時点(2023年9月現在)では、広告の話は出ておりませんが、配信できるとなれば、Meta広告より配信が可能になる予想ですので、今後もMeta広告からは目が離せません。
今回の記事では、「Meta広告の出稿を検討している方」「Meta広告の運用を効率化したい方」に向けて、Meta広告のアルゴリズムとそれに応じたアカウント構成を解説します。
*¹出典:ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
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目次[非表示]
- 1.Meta広告の構造とアルゴリズムを確認
- 1.1.三層構造を理解する
- 1.2.アルゴリズム|パーソナライズ×機械学習
- 2.Meta広告運用の基本的な3つの考え方
- 3.運用における3つの最適化設定ポイント
- 3.1.配信対象の最適化ポイント
- 3.2.配信面の最適化ポイント
- 3.3.広告の最適化
- 4.16項目でチェックする理想設計とアカウント診断
- 5.まとめ
Meta広告の構造とアルゴリズムを確認
Facebookは実名登録制であることからビジネス目的の利用者も多く、ターゲティング精度が高い特徴があります。名前や性別、年齢、居住地、勤務先や興味関心などを把握できるため、細かくターゲティングできるのが特徴です。
その他の特徴としては、出稿金額が少額からでも広告配信できること、また、InstagramやMessengerなどMeta社のほかの媒体にも配信できることが挙げられます。
三層構造を理解する
Meta広告を出稿する前に、まず広告の構造を理解することが重要です。Meta広告は、次の図の通り、キャンペーン>広告セット>広告の三層構造になっています。それぞれの構造について説明します。
・キャンペーン
広告をひとまとめにしたものであり、例えば、パソコンなどでファイルを管理する際、大元となるフォルダをイメージするとわかりやすいでしょう。広告配信の目的ごとに1つずつキャンペーンを設定します。キャンペーンでは、予算の設定を推奨しています。また、プロモーションの目的も設定できます。
・広告セット
広告セットでは、入札とターゲットに関する設定を行います。予算については、前述の通りキャンペーンでの設定をおすすめしています。また、コンバージョンの場所やパフォーマンスの目標などの設定も行いましょう。
・広告
広告は、広告セットの下に配置されており、複数の広告を設定できます。配置の変更やキャッチコピーを変更するなど、複数の広告を配信して効果を比較し検証することも可能です。入札、予算、ターゲットに関する設定は、キャンペーンと広告のセットで行っているため、広告単体では行いません。
アルゴリズム|パーソナライズ×機械学習
Meta広告は、「People First」という思想のもと設計されています。そのため、配信対象者「各個人」の好みに応じて配信するフォーマットや広告がパーソナライズされるように、オークション形式(広告主の入札により、表示される広告が決まる仕組み)を採用しています。つまり、Meta広告の広告掲載には、入札単価以外に配信するフォーマットや広告などの判断基準が設定されています。
Meta広告には、最先端の機械学習が採り入れられており、アルゴリズムによって配信対象や配信面・配信広告を自動で最適化するように働きます。アルゴリズムには、機会損失を減らし、広告効果を最適化するものが使われています。
Meta広告運用の基本的な3つの考え方
Meta広告には広告配信の効果を最大化させるための機械学習が組み込まれています。Meta広告運用の基本的な考え方として次の3つが重要です。
- アルゴリズムを理解する
- Meta広告アカウントに提供する情報を増やす
- Meta広告アカウントが実行できる選択肢を広げる
まず、Meta広告のアルゴリズムを理解することが大切であり、機械学習の邪魔にならないような、アカウント設計が重要です。そのためには、アルゴリズムの機能を最大限活用できるように、メディアに提供できる情報はなるべく増やす必要があります。
それぞれのメディアにおいて情報収集できる範囲が広がると、ターゲティングの精度が上がり、広告の費用対効果が高まります。
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運用における3つの最適化設定ポイント
Meta広告では機械学習が用いられており、最適化機能が働くポイントを理解しておくことが重要です。最適化できた状態とは、設定した目標を達成するためにターゲットに対し広告が適切にリーチしている状態を意味します。Meta広告で広告が配信されると、システム側で配信対象者や配信面、広告を最適化するように機能します。
配信対象の最適化ポイント
Meta広告は機械学習を用いて分析と予測がなされ、ターゲットを予測し配信対象の最適化を目指します。
配信対象の最適化機能が働くポイントは、管理画面で設定する以下の項目や実績です。
- ピクセル設定
- 最適化設定
- 学習エンジン
- アカウント構成
- 効果最大化CV(コンバージョン)数
- 予算設定
- ターゲット設定
- 除外設定
考慮されるポイントには、ピクセル設定やターゲット設定があります。これらを考慮しつつ、Meta広告は、様々なシグナルを参考にして、適切なユーザーに絞り込みます。リーチ数を高めることが目標の場合、広告単価の低いユーザーに広告が配信されていると最適化機能が働いたと判断できるでしょう。
配信面の最適化ポイント
配信面の最適化ポイントでは、ターゲットに対し親和性の高い配信面の予測が行われます。
配信面の最適化機能が働くポイントは、管理画面で設定する以下の項目や実績です。
- 配信面設定
- 広告サイズ
- 入札設定
配信面設定や広告サイズのような要素を元に、広告の配信面についてFacebookのみが良いのかInstagramに親和性が高いのかなどの学習および最適化が行われます。
広告の最適化
Meta広告は、配信対象と配信面と両方の最適化を目指した後、続いて広告クリエイティブの最適化が行われます。広告の最適化機能が働くポイントは、管理画面で設定する以下の項目や実績です。
- 広告フォーマット
- 広告サイズ
- 品質スコア
- 評価指標
- 同時掲載本数
- 差し替えサイクル
- アセットカスタム
- 品質スコア
広告フォーマットやサイズをもとに、ターゲットユーザーがどの広告をクリックするのかを学習します。そして、ユーザーに最適な広告クリエイティブを表示します。
16項目でチェックする理想設計とアカウント診断
Meta広告の機械学習を効果的に進めるためには、以下の点に留意しましょう。
- 広告の編集頻度は週次程度にする
- 広告セットは15件/日を獲得できる本数
- 広告セットで50件/週以上のCVを獲得する
- 最小単価での入札を検討する
- 自動配置を使用する
オプトでは、Meta広告で機械学習を最大限に活用し費用対効果を高めるために、以下の16項目による確認を行っています。
配信対象・配信機会・広告配信の3つの最適化アルゴリズムに対し、それぞれ考慮したいポイントごとに設計する内容をまとめました。紹介した確認項目について、実際のアカウント内容と比較してしてみてください。
まとめ
Meta広告では、アカウント設計から広告配信までの設定が重要です。Meta広告を展開すると、facebookやInstagram、WhatsApp、Messengerなど幅広いプラットフォームに広告展開も可能です。
出稿予算は少額から始めることができ、ターゲットユーザーの詳細がわかりやすいMeta広告はさまざまな用途に利用できます。機械学習のアルゴリズムを意識したアカウント設計を行い、効率よく広告を運用していきましょう。
Meta広告の運用について解説するシリーズ第二弾(配信対象の最適化編)はこちら
シリーズ第三弾(配信面・広告の最適化編)はこちら
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