【事例】広告運用のインハウス化|3つの課題とその対応策を解説
広告代理店に支払う手数料の削減や、Web広告運用に関するナレッジを内部に蓄積する目的で、運用を代理店に任せず、自社で行うインハウス化を検討する企業が増えています。
しかし、何から着手したらよいのか、また、どのようなスケジュールでインハウス化を実現したらよいのか分からない場合も多いでしょう。
そこで、本記事では、Web広告運用のインハウス化における3つの課題と、それぞれの対応策を解説します。また、インハウス化に成功した企業の事例も紹介していますので、最後までご覧ください。
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目次[非表示]
- 1.Web広告運用インハウス化の背景
- 1.1.テクノロジーの発達によりWeb広告運用のハードルが低下
- 1.2.広告効果を向上させる可能性
- 1.3.中長期的に役立つナレッジの蓄積
- 2.Web広告運用インハウス化における3つの課題
- 2.1.課題①:リソース不足
- 2.2.課題②:広告リテラシー
- 2.3.課題③:ナレッジ蓄積
- 3.3つの課題を解決する対応策
- 4.事例
- 4.1.Web広告運用の内製化を決めた背景
- 4.2.オプトの支援内容と結果
- 5.まとめ
Web広告運用インハウス化の背景
Web広告運用を代理店に任せずに自社で行う企業が増えています。BtoB企業のマーケティング職や広告・販促職の担当者の方を対象に行った、広告運用体制に関するアンケートでは、代理店運用が27.5%だったのに対して、自社運用が28.4%となりました。また、代理店運用と自社運用を併用している企業は24.0%であり、少なくとも一部の運用を自社で行っている企業は52.4%という結果でした。*¹
Web広告運用のインハウス化が進む背景には、次の3つの理由があります。
*¹出典:株式会社shirofune「BtoB企業のデジタルマーケティングにおけるWeb広告運用体制に関する調査」
テクノロジーの発達によりWeb広告運用のハードルが低下
Web広告運用には専門的な知識が求められますが、広告プラットフォームをはじめとしたテクノロジーの発達により、未経験者による運用も可能となりつつあります。実際に、Web広告を自社運用する企業の33%は未経験者による運用を行っています。*¹
広告効果を向上させる可能性
Web広告を自社で運用すると、次のようなメリットが期待できます。
・スピーディーにPDCAを回せる可能性がある
・社内の運用チームと制作チームが連携できるため、広告成果の向上が見込める
・一部の顧客データなど代理店など社外に開示できない情報を運用に活用できる
・事業理解のある人材が運用に関与しやすく、広告成果の向上が見込める
このようなメリットを求めてWeb、広告を自社運用するケースがあります。
中長期的に役立つナレッジの蓄積
Web広告を自社運用すると、ナレッジが自社に蓄積され、社内のマーケティングチームのスキル強化に繋がる場合があります。マーケティングチームの広告運用スキルが向上するのみならず、これらのナレッジはブランド拡張や新規サービス開発にも活かせます。
このように、Web広告運用のインハウス化には、中長期的なメリットもあります。
Web広告運用インハウス化における3つの課題
Web広告運用のインハウス化がトレンドですが、次のような課題もあります。
課題①:リソース不足
Web広告を自社で運用するためには、次の業務を社内で行わなければなりません。
・媒体および広告の種類の決定
・広告予算の策定
・クリエイティブなどの素材の制作
・出稿作業
・データ収集および分析
これらの業務を行う人材が不足している場合、Web広告の自社運用は難しくなります。
課題②:広告リテラシー
自社でWeb広告を運用するためには、部署または担当者にマーケティングや運用に関する知識が必要です。Web広告を運用するためには各種の専門用語の意味と使い方を理解し、過去の実績から将来の運用戦略を構築できる能力が求められます。
また、企業やサービスのブランディングに悪影響を与えないためのリテラシーも必要です。潜在顧客にインパクトを与えることを重視するあまり、過剰だったり偏ったりした表現をしてしまうと、広告が炎上する可能性があります。
自社でWeb広告運用を行うためには、担当者にこれらの広告リテラシーが求められます。
課題③:ナレッジ蓄積
Web広告の自社運用が軌道に乗ると、社内に次のような情報が蓄積されます。
・クリエイティブの作り方
・効果的なクリエイティブに共通する要素
・CPA(顧客獲得単価)をはじめとした各種の実績
・運用調整の知識
特に、複数の媒体にWeb広告を出稿している場合は、社内に蓄積されるデータの量も膨大です。しかし、仕組みやリテラシーが不十分であるために、これらのデータを整理・活用できていない企業も多いです。
3つの課題を解決する対応策
以下では、3つの課題を解決する対応策を確認します。
課題①の解決:インハウス化を段階的に目指す
これまで代理店に任せていたWeb広告運用の全てを、急に自社運用に切り替えるのにはリスクがあります。そのため、Web広告運用のインハウス化は段階的に進めることが望ましいでしょう。
具体的な進め方として、初めにインハウス化のマイルストーンを設定します。マイルストーンでは、各業務をいつ内製化するか決めていきます。次の図はマイルストーンの参考例です。
また、Web広告運用には次のような担当者が必要です。
社内リソースの状況によっては、それぞれの担当者の新規採用もマイルストーンに組み込む必要があるかもしれません。
課題②の解決:内製化サービスを活用して社内教育を実施
Web広告運用に必要な知識やリテラシーはインターネットや書籍からも習得できます。特に、LTVやCPAなどの各種の指標の意味は学びやすいものです。
一方で、自社のブランディングに繋がる適切な表現や訴求、炎上の回避に関するリテラシーには定性的な側面が強く、インターネットや書籍からの習得は容易ではありません。自社で運用を続けながらリテラシーを高めることもできますが、効率を重視するのであればWeb広告運用の内製化支援サービスを活用するという選択肢もあります。
課題③の解決:マニュアル・ルールブック整備によるナレッジ蓄積
Web広告運用によって得られたデータを整理・活用ができないまま放置してしまう状況を回避するためには、ナレッジを蓄積し活用するための仕組みを作るのが有効です。また、ナレッジの蓄積と活用のためのノウハウが少数の担当者に属人化することも避けたいものです。
そのためには、マニュアルとルールブックの整備から着手します。それらのノウハウを閲覧できる状態にして、運用担当者が変わっても次の担当者がこれまで通りに運用できる体制を整えます。これらのマニュアルとルールブックは、SNS広告・リスティング広告など広告の種類ごとに作成するのが望ましいでしょう。
事例
ここからは、オプトが支援し、Web広告運用の内製化に成功した採用コンサルティング会社の事例を紹介します。
Web広告運用の内製化を決めた背景
本事例において、採用コンサルティング会社は次の2つの理由からWeb広告運用の内製化を決めました。
・委託していた広告代理店との契約期間が終了となった
・そのタイミングで外注か内製かを検討した結果、内製化をした方が知見を蓄積できると考えた
しかし、内製化するためには次の2つの課題がありました。
・運用担当者の運用知見・スキルの向上
・その他業務と両立可能な運用フローの確立
これらの課題に対して、こちらの企業は、運用内製化の支援サービスを検討し、大手代理店で信頼できる知見があり、適正価格であるという理由で、オプトを選んでいただきました。
オプトの支援内容と結果
クライアント企業に対して、オプトは次の支援を行いました。
・半年間の支援で、定例会をベースに進行
・1カ月:アカウント移管をメインにサポート+自学として知識のインプット
・2~4カ月:運用支援を実施し、移管2カ月目から前代理店の実績まで改善
・5~6カ月:運用の壁打ちや、別プロモーションの準備や戦略の洗い出し、LPの改善を支援。また、移管対象外の商材の運用の壁打ちを支援
その結果、クライアント企業が自社内で運用に関する改善活動(PDCAサイクル)を行えるまでになり、担当者の現在業務に合わせて調整した運用フローを確立しました。また、代理店運用時と同水準の実績を出すことができ、結果的にCPA約20%の改善を行うことができました。
まとめ
Web広告運用をインハウス化する企業が増えている背景には、広告プラットフォームの発達に加え、広告成果向上および中長期的なナレッジ蓄積への期待があります。
しかし、内製化するためには、社内のリソース不足の解消、広告リテラシーの向上、ナレッジ蓄積の仕組み化という課題があります。そのため、内製化にあたっては自社の状況を考慮した上でマイルストーンを設定し、内製化支援を行う専門家の知見も活用しながら進めることをおすすめします。
オプトは、さまざまな業界に対してWeb広告運用のインハウス化支援を行っており、業界別の知見を蓄積しています。また、Web広告の出稿先となる各媒体とつながっており、最新の媒体情報をもとにした支援が可能です。
Web広告運用をインハウス化し、広告成果の向上およびナレッジの蓄積を目指すために、オプトの内製化支援サービスの詳細と想定される結果を知りたい場合は、ぜひオプトのインハウス支援部門までお問い合わせください。
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