【専門家解説】GA4レポートを使いこなすための3つの視点とUAとの違い
2023年7月にユニバーサルアナリティクス(以下、「UA」)の無償版の計測が停止されておりますが、2024年7月には有償版も計測停止になります。
計測ツールをUAからGoogle Analytics4(以下、「GA4」)に変更したものの、二つのツールの違いをまだ正確に理解できておらず対応できていないという方もいるでしょう。
本記事では、GA4移管後のレポート作成の際に重要な視点について、あらためて解説します。GA4を用いた、より正確な計測を実現するために、最後までご覧ください。
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目次[非表示]
- 1.GA4移管後のレポート作成の際に重要な三つの視点
- 1.1.視点①:Google広告におけるGA4のオーバーライド設定
- 1.1.1.対策
- 1.2.視点②:レポートのしきい値、サンプリングおよび計測CV定義
- 1.2.1.UAとの違い|しきい値とサンプリングについて
- 1.2.1.1.対策
- 1.2.2.UAとの違い|計測CV定義について
- 1.2.2.1.対策
- 1.3.視点③:データの保持期間
- 1.3.1.GA4のデータ保持期間
- 1.3.2.対策
- 2.「ONE’s Data」を活用したGA4への移行支援パッケージを提供
GA4移管後のレポート作成の際に重要な三つの視点
ここから、三つの視点について解説します。
視点①:Google広告におけるGA4のオーバーライド設定
オーバーライド設定とは、あらかじめ定義された設定などを、利用者が独自に書き換える操作のことを指し、UAでは自社での計測基準に沿って、ユーザーが計測しやすいようにカスタマイズすることが可能でした。しかし、GA4にはオーバーライド設定がないため、独自の計測基準を用いることができず、特定のパラメータの計測に影響を及ぼす可能性があります。
対策
UAでオーバーライド設定を使用していた場合、GA4では次のいずれかの対応が必要になります。
- 自動タグのみを使用し、UTMパラメータ(UAでの計測の際に、URL末尾に追加していた文字列)を使用しない
- Google広告の自動タグをOFFにして、UTMパラメータを使用する
しかし、②は推奨できません。AppleのSafariに搭載されているトラッキング防止機能の対策として、Google広告では自動タグの使用を推奨しています。つまり、自動タグをOFFにするとSafariの計測に制限が発生します。
そのため、GA4では自動タグを使用し、UTMパラメータ(※)を使用しない設定を推奨しています。また、オプトの提供しているデジタルマーケティング特化DMP(※)「ONE’s Data」を計測CV(Conversion:コンバージョン)として活用すると、オーバーライド設定に左右されることなく、これまでと同様の計測が可能です。
(※)UTMパラメータ:データを収集および記録するために、URL の末尾に追加されるパラメータ
(※)DMP:Data Management Platform:データ収集およびデータ管理に活用されるプラットフォーム
視点②:レポートのしきい値、サンプリングおよび計測CV定義
続いて、GA4においてパラメータ別のレポートを抽出した際に、CV数の減少が見られたり、説明できないCVが反映されたりする場合について解説します。
これらの現象には、GA4のレポートにおけるしきい値とサンプリングが関連している場合があります。
UAとの違い|しきい値とサンプリングについて
しきい値とは、データのプライバシーを保護するために、データからユーザーを推測できる一部の情報を除外する仕組みです。しきい値が適用されると、レポートに表示されるCVが減少します。
サンプリングとは、多くのデータをもとにレポートを抽出する場合、一部のデータを抽出し、その傾向をもとにレポートを生成する機能です。サンプリングが適用されると、説明できないCVが反映されます。
しきい値およびサンプリングは、GA4によって設定されるものであり調整ができません。
対策
しきい値およびサンプリングの適用によりデータに誤差が発生している場合、次の5つの方法で対策します。
オプトの提供している「ONE’s Data」には、しきい値やサンプリングの仕組みがないため、より正確なレポートを提供できます。
UAとの違い|計測CV定義について
また、GA4では各計測CVの定義が変更されています。そのため、定義の変更を理解したうえで、GA4による計測をおすすめいたします。
対策
計測CVの定義の変更を理解するためには、次のような対応表の作成を推奨しています。
UAで使用していた指標について、上記のような対応表を作成し、UAからGA4にかけて連続性を維持した形で計測できる環境を整えましょう。
視点③:データの保持期間
UAとGA4ではデータ保持期間が異なるため、長期的な分析に影響を及ぼす場合があります。
GA4のデータ保持期間
初期設定の場合、GA4のデータ保持期間は2カ月です。また、設定を変更して最大14カ月まで保持期間を延長できます。
データ保持期間が経過すると、ユーザ単位もしくはイベント単位でデータが削除されます。そのため、14カ月を超えて実施する長期的な分析に影響があります。
対策
14カ月を超えてデータ保持期間を延長するためには、GA4を有料版にアップグレードする選択肢があります。有料版を活用すると、最長で50カ月までデータ保持期間を延長できます。
また、BigQueryと連携して、定期的にデータをエクスポートしてデータを保持する選択肢もあります。しかし、工数がかかり、1日あたり100万イベントまでしかエクスポートできないという制限もあります。
「ONE’s Data」では、BigQueryにストリーミングエクスポートされているデータをコピーして、無期限にデータを保存できます。また、「ONE’s Data」内でデータ分析もできるため、保存と分析を一つのツールでできるようになります。
「ONE’s Data」を活用したGA4への移行支援パッケージを提供
本記事では、GA4における変更点を解説しました。今後、GA4をさらに使いこなすために重要な変更点です。これを機にあらためて確認してみてください。
オプトでは、2021年6月からデジタルマーケティング特化DMP「ONE’s Data」を開発および提供しています。「ONE’s Data」を活用することで、本記事で紹介した3つの変更点に対応できます。
「ONE’s Data」であれば、無期限でデータを保存でき、オーバーライド設定の変更、しきい値やサンプリングの適用に対応しながら、データの長期的な分析を可能にします。
GA4へのスムーズな移行を支援する3つのパッケージも用意しておりますので、詳細はお問い合わせください。
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