【事例あり】Google YouTube広告の動画視聴キャンペーンとは
2023年9月から、視聴回数の最大化を目的とするYouTube広告の新たな広告キャンペーンとして、動画視聴キャンペーン(VVC)が活用できるようになりました。VVCは、複数の広告フォーマットを組み合わせることができるため、これまでよりも広告の配信面を広げることができます。その結果、適切なタイミングで、適切な場所で、ユーザーに動画広告を配信し、広告効果を高められる施策です。本記事では、VVCの特徴と併せて、VVCで対応可能な課題や具体的なVVCを活用した改善事例などを紹介します。
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目次[非表示]
- 1.YouTubeのユーザー数は増加傾向
- 2.動画視聴キャンペーン(VVC)とは?
- 2.1.特徴
- 2.2.視聴数の最大化を目指す自動調整
- 3.VVCが対応可能な課題
- 4.事例
- 4.1.概要
- 4.2.メディア横断_全体実績
- 4.3.メディア横断_秒数別全体実績
- 5.今後の展望
YouTubeのユーザー数は増加傾向
YouTubeのユーザー数は伸び続けており、2023年5月時点で18歳以上の月間ユーザー数が7,120万人を超えました。そのうち、約3分の1の2,680万人が45~64歳というデータもあり、若年層に限らず幅広い世代で利用されています。(※1)総務省が行った「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※2)によれば、YouTubeの全年代での利用割合は88.2%と、大多数の人が利用するメディアであることがわかります。
※1 引用元:2023 年の YouTube 視聴はますます多様に —— テレビデバイスで月間 3,800 万人、ショート動画も前年度より加速
※2 参照元:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
動画視聴キャンペーン(VVC)とは?
動画視聴キャンペーン(VVC)とは、Video View Campaignsの略称で、視聴回数の最大化を目的として、1つのキャンペーンで、複数の動画広告フォーマットを配信するキャンペーンです。
特徴
VVCで使用可能な配信面は下記の3つとなります。
- スキップ可能なインストリーム
- インフィード(YouTubeホームフィード/視聴動画関連フィード/検索結果フィード)
- YouTube ショート
目標としている視聴単価に対して、視聴回数を最大化させるための動画広告フォーマットに配信が行われます。従来のインストリーム広告単体向けのキャンペーンよりも、ショート面が加わることでより多くの視聴回数が見込まれます。
広告フォーマットの概要は、以下となりますので制作前に確認をしておくことをおすすめします。
- 掲出面:インストリーム/ホームフィード/視聴動画関連/検索結果面/ショート
- 形態:スキッパブル (※2)
- 入札:CPV (※3)
- 秒数:11秒以上推奨
※2 スキッパブル:動画再生前や再生中に流れる動画広告を視聴するか、視聴しないか、選択できる手法。
※3 CPV:ユーザーのビデオ広告再生(視聴)1回あたりの費用
視聴数の最大化を目指す自動調整
VVCは、視聴数が最大になるよう自動調整を行うキャンペーンです。TrueViewインストリーム面のみの配信と比較して、視聴単価が30%削減できたというデータ(※4)もあります。視聴数の最大化を目的としたキャンペーンのため、予算内で自動調整されます。視聴者のなかでも特に、広告をあまりスキップしない人のデバイスに配信されます。
※4 Google社提供実績
実際に広告が視聴される配信面は以下の通りです。
- インストリーム:YouTube動画の配信前、もしくは途中
- インフィード:YouTubeホームフィード/視聴動画関連フィード/検索結果フィードの途中
- ショート:ショート動画の途中 ※ショート面に配信できるキャンペーンは、動画リーチキャンペーン(VRC)- 動画視聴キャンペーン(VVC)・動画アクションキャンペーン(VAC)などとなります。
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VVCが対応可能な課題
VVCは、視聴数の最大化を目的として設定するキャンペーンであるため、以下のような課題をもつ方におすすめです。
- YouTube広告でさらに広告の視聴回数を増やしていきたい
- 視聴ユーザーが大幅に増加しているショート面に出稿し、広告の視聴回数を伸ばしていきたい
VVCにより、インストリーム面以外のインフィードやショート面にも広告を配信できるため、より多くの方に効果的に視聴してもらえます。
また、VVCを活用することで配信面が自動的に複数になるため配信設計を簡素化することができ、キャンペーンを1つ作成するのみで、各配信面に配信されます。
事例
ここでは、VVCを活用した具体的な事例について紹介していきます。また、VVCの効果を、他メディア・別キャンペーンと比較をして、評価をしました。
概要
VVCの効果を検証するため、以下の条件にて配信を行い、結果をまとめました。
▼設定条件
広告フォーマットを2通りに分けました。
- TrueView(配信面:インストリームのみ)
- VVC(配信面:インストリーム/ホームフィード/視聴動画関連/検索結果面/ショート)
▼検証結果 TrueViewのなかでも、スキップ不可(動画の秒数が6〜15秒)の場合を基準として比較をしたところ、以下の結果となりました。
- VVCの場合 利用金額:88% 視聴数:101% リーチ数:168%
利用金額は抑えながら、視聴数・リーチ数ともに増加しており、効率よく配信ができました。また、高い態度変容も見受けられました。
メディア横断_全体実績
メディアごとの広告効果を検証するために、以下の5つの広告フォーマット(配信メディアはYouTube・媒体A・媒体Bの3つ)で配信を行いました。
▼検証した広告フォーマット
- YouTube VVC(15秒/30秒/60秒、スキップ可)
- YouTube TrueViewインストリーム(15秒、スキップ不可)
- YouTube TrueViewインストリーム(60秒、スキップ可)
- 媒体A(15秒)
- 媒体B(60秒)
▼検証結果
- 視聴効率については、視聴数・視聴率、視聴単価、視聴定義を踏まえて、「YouTube VVC」が好調メディアとして評価されました。
- 一方、リーチ効率については、コンバージョン単価が最も安価であることから「媒体B」が好調メディアとして評価されました。
メディア横断_秒数別全体実績
メディア横断で画角別の広告効果を検証するために、以下の7つの広告フォーマット(配信メディアはYouTube・媒体A・媒体Bの3つ)で配信を行いました。
▼検証した広告フォーマット&画角
- 媒体A
- YouTube TrueViewインストリーム(15秒、スキップ不可)
- YouTube TrueViewインストリーム(60秒、スキップ可)
- YouTube VVC(15秒、スキップ可)
- YouTube VVC(30秒、スキップ可)
- YouTube VVC(60秒、スキップ可)
- 媒体B
▼検証結果
- 視聴効率については、「YouTube TrueView インストリーム 」が好調でした。
- 一方、CV効率については、「媒体B」が好調でした。
今後の展望
本記事では、視聴数の最大化を目的としたキャンペーンである動画視聴キャンペーン(VVC)について、概要や活用事例を紹介しました。メディアを横断した検証や、YouTube広告内でのフォーマット比較においても、VVCを活用した結果が、効率よく視聴数が伸びることが明らかになりました。
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