【事例あり】TikTok広告|CVの重み付けとROAS目標の入札戦略とは
不動産業界や自動車業界など、専門性の高い趣味や嗜好品、頻繁には購入しない高関与商材を取り扱う業界は、オンラインで資料請求や面談申し込みを経て、実際にオフラインで面談や店舗で接客を行い、決済するケースが多いです。我々の見解では昨今、このような業界におけるWeb広告の出稿に変化が起きていると考えています。
このような状況で広告配信を行うにあたって課題となるのが、オフラインとオンラインの情報の紐づけや、それぞれの情報を適切な比重で重み付けをして広告プラットフォームと連携することです。
本記事では、TikTokとPangleへ広告を配信できるTikTok広告におけるコンバージョンの重み付けについてお話します。コンバージョンの重み付けにより、オンラインとオフラインの情報を適切な比重で評価して機械学習に活用できるようになります。
また、コンバージョンの重み付けを行ううえで重要なROAS(広告費用対効果)目標の入札戦略の事例も紹介します。
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目次[非表示]
- 1.多様化する購入(契約)プロセス
- 2.購入(契約)プロセスの多様化に対応する2つのポイント
- 2.1.コンバージョンの重み付けとは
- 2.2.ROAS目標の入札戦略
- 3.事例
- 4.まとめ
多様化する購入(契約)プロセス
コンバージョンの重み付けが重要なのは、購入や契約までのプロセスでオンラインとオフラインの情報が混在するためです。
購入までのプロセスにおけるオフラインとオンラインの情報の混在
昨今、企業のマーケティング活動における購入(契約)プロセスやコンバージョン地点が複数存在しているケースが見受けられます。
例えば、購入(契約)プロセスという点では、自動車業界においては、試乗予約ができる広告をオンライン上で配信し、ユーザーの自宅最寄りの販売店で実際に試乗から購入までをご案内するケースがあります。BtoB企業においては、オンライン上でユーザーにホワイトペーパーのダウンロードやセミナーの申し込みをしてもらい、申し込みした際の登録情報をもとに架電を行い、商談に進めるケースがあります。
また、コンバージョン地点においても、各業界や企業によって異なり、資料請求、メルマガ登録、問い合わせなど複数存在するケースもあります。
購入(契約)プロセスが多様化するうえでの留意点
購入(契約)プロセスにおいて、オンラインとオフラインが混在する場合、Web広告の機械学習において、各コンバージョン地点をいかに評価するかが重要と考えられます。
オンラインの情報のみを評価して機械学習を進めると、オンラインでの親和性が高いユーザーを集めることはできますが、オフラインのコンバージョンにつながらない可能性があります。
購入(契約)プロセスの多様化に対応する2つのポイント
ここからは、購入(契約)プロセスの多様化に対応する手法として、コンバージョンの重み付けについてお話します。また、コンバージョンの重み付けを行ううえで重要なROAS目標の入札戦略も紹介します。
コンバージョンの重み付けとは
コンバージョンの重み付けとは、機械学習に活用する、一つひとつのコンバージョンの評価に差を付けることを指します。
例えば、購入(契約)プロセスのなかに「資料請求」と「問い合わせ」があり、資料請求よりも問い合わせの方が、売上や事業への貢献度が高かった場合、両方のコンバージョンの評価を同じにせず、資料請求を1、問い合わせを2として、それぞれのコンバージョンの評価に差を付ける場合があります。
コンバージョンの重み付けにより、売上や事業などへの貢献度に応じて各コンバージョンを評価でき、より適した機械学習を行うことができます。
このような重み付けを行ったうえで、広告媒体のオフラインコンバージョンのインポート機能(※1)を活用して、オフラインのコンバージョンを機械学習に活用します。これにより、オンラインとオフラインそれぞれのコンバージョンを適切に評価したうえで、自動入札や自動ターゲティングの最適化を目指すことができます。
※1 オフラインコンバージョンのインポート機能:店頭購入、通話での購入などのオフラインで起こったコンバージョンに関連するデータを広告媒体に取り込み、最適化に活用する機能。
ROAS目標の入札戦略
コンバージョンの重み付けを機械学習に反映し広告を運用する場合、入札タイプとしてROAS目標の入札戦略の活用をおすすめします。
そもそもROASとは、投資した広告費用に対してどれだけの売上を得られたかを測る指標です。ROAS目標の入札戦略では、このROASの数値を高めることを目標に、入札が最適化されます。
そのため、ROAS目標の入札戦略は、売上や事業への貢献度に応じてコンバージョンの評価に差を付ける、コンバージョンの重み付けを行った広告配信に適しています。
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事例
ここからは、TikTokとPangleへ広告を配信できるTikTok広告において、コンバージョンの重み付けを行ったうえで、ROAS目標の入札戦略で広告を運用した金融関連企業の事例を紹介します。
課題
クライアントは、TikTok広告を活用し、次のような購入(契約)プロセスにあわせてコンバージョン地点を設定していました。
- 広告をクリックしたユーザーによるサービスの申し込み
- 審査機関による審査
- 審査に通ったユーザーにサービスを提供
このように、ユーザーがサービスの提供を受けるまでのプロセスにおいて、クライアントは当初、オンラインの情報のみを活用して機械学習の最適化を目指していました。その結果、サービスの申し込み数は増加しましたが、審査に通るユーザーの数にはほとんど変化がありませんでした。
施策
このような状況を改善するために、クライアントは、審査通過者の登録情報をTikTok広告の機械学習に生かせるように、データを送信できる仕組みを構築しました。
そのうえで、例えば、サービスの申し込みを1、審査通過を2とするような評価を行い、ROAS目標の入札戦略で広告を運用しました。
結果
その結果、コンバージョンの重み付けを行わなかった広告配信と比較して、本施策における広告配信では、申し込みのCVR(コンバージョン率)が116%に上昇し、審査通過率は198%に上昇しました。
まとめ
本記事では、オンラインとオフラインの情報が混在する場合におけるコンバージョンの重み付けについてお話しました。コンバージョンの重み付けとは、機械学習に活用する、一つひとつのコンバージョンの評価に差を付けることを指します。
コンバージョンの重み付けを行ったうえで、オンラインのみならずオフラインの情報も機械学習に活用し、ROAS目標の入札戦略でWeb広告を運用することで、売上などの成果の最大化が期待できます。
紹介した事例では、TikTok広告において、これらの施策を実施し、申し込みのCVRと審査通過数を改善できました。
オプトでは、自社開発・提供している統合データ活用プラットフォーム「ONE's Data」を活用して、各広告媒体にオフラインのコンバージョンをインポートする支援を行っています。また、TikTokのみならず、さまざまな広告媒体におけるオフラインコンバージョンのインポート事例があります。
オンライン上のコンバージョンの数は増加しているが、その後ろのプロセスにあるオフラインのコンバージョン数について伸び悩んでいる場合には、各コンバージョンに重みを付けたうえで、オフライン情報を広告媒体にインポートして機械学習に活用し、ROAS目標の入札戦略で広告を運用する施策を検討してみてはいかがでしょうか。
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