【事例あり】Criteo広告のオーディエンス拡張機能Lookalikeの特徴とは
2024年現在、Cookie制限が段階的に導入され、インターネット広告業界全体に大きな影響を与えています。このCookie制限は、CRITEO株式会社が提供する「Criteo広告」の広告配信にも大きな影響を及ぼしています。以下で詳しくお話します。
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目次[非表示]
- 1.Cookie制限によるCriteo広告への影響
- 2.CRITEOの類似ターゲティングメニュー
- 2.1.CRITEOの類似ターゲティングメニュー①Lookalikeオーディエンス
- 2.2.CRITEOの類似ターゲティングメニュー②Similarオーディエンス
- 2.3.LookalikeオーディエンスとSimilarオーディエンスの違い
- 3.事例:Lookalikeオーディエンス実施によるターゲティングメニューの継続とCriteoリターゲティングの改善
- 3.1.クライアントの課題
- 3.2.Criteoリターゲティング 対比
- 3.3.他媒体リターゲティング 対比
- 3.4.LookalikeオーディエンスのCriteoリターゲティングの並走実績
- 3.5.考察
- 4.将来の展望
Cookie制限によるCriteo広告への影響
Cookieとは、Webサイトを閲覧したユーザーのブラウザに一時保存されるテキストデータのことです。主にファーストパーティーCookie(※1)とサードパーティーCookie(※2)の2種類があります。
そのなかで制限の対象となったのが、サードパーティーCookieです。社会的に行動データを保持することがプライバシー侵害として問題視され、Googleは、Chromeブラウザにおいて段階的な制限を行いました。
しかし、サードパーティーCookieは、リターゲティング広告(※3)を配信するうえで欠かせない仕組みです。制限されるとなれば、リターゲティング広告以外の方法でマーケティング活動を行う必要があります。
こうしたCookie制限が進むなかで、Criteo広告ではターゲティングメニューの開発に力を入れています。
※1:訪問先サイトのドメインが発行するCookie。(ログイン状態を維持できる)
※2:訪問先サイト以外のドメインが発行するCookie。(他社サイトにもリターゲティング広告を配信できる)
※3:クライアントのWebサイトを訪問したユーザーに対して訴求する広告手法。
CRITEOの類似ターゲティングメニュー
Criteo広告ではターゲティングメニューとして、リターゲティング広告の次に広告効果を合わせやすいターゲティングメニューの中でよく活用される手法として、類似ターゲティングメニューが挙げられます。
Criteo広告では、類似ターゲティングができるメニューとして、LookalikeオーディエンスとSimilarオーディエンスの大きく2つのメニューがあります。
CRITEOの類似ターゲティングメニュー①Lookalikeオーディエンス
Lookalikeオーディエンスは、CRITEOの類似ターゲティングメニューのひとつです。
Lookalikeオーディエンスとは、ユーザーの購買行動から見込みユーザーを抽出する拡張機能(※4)のことです。過去に商品を購入していたり、カートには入れたものの離脱したりしたユーザーへ訴求できます。
Criteo Lookalikeは、コンバージョンタグ(※5)による情報をもとに類似セグメント(※6)を作成するのが特徴です。ユーザーの購買行動をもとに、類似性の高い新規ユーザーを見つけます。
例えば、自社サイトにてゴルフクラブを購入したことがあるユーザーがいた場合、Lookalikeでは、ゴルフクラブの購入者というグルーピングを行います。
そして、パブリッシャー(※7)のサイトにて、自社サイトでゴルフクラブを購入したユーザーと類似したオンライン行動(過去の商品閲覧や購買行動)をしているユーザーが現れた際に、自社サイトの広告が配信される仕組みです。
Lookalikeオーディエンスは、ユーザー同士の類似性を多角的に分析している点もポイントです。フィード(※8)やタグなどのクライアントが持つデータに加え、購買数やコンテンツなど、パブリッシャーのデータからも相関性を発見します。また、閲覧した商品のカテゴリや商品の属性も配信アルゴリズムに影響しています。
※4:デフォルト以外に新たな機能を追加するプログラム
※5:広告がどのくらいの成果を出せたかを測定するタグのこと
※6:既存のリストのユーザーと類似したユーザーへアプローチするために設けられた区分
※7:広告を配信するための媒体を供給する人
※8:Webサイトの要約や更新情報などのコンテンツ
CRITEOの類似ターゲティングメニュー②Similarオーディエンス
Similarオーディエンスも、CRITEOの類似ターゲティングメニューのひとつです。
Similarオーディエンスでは、アカウントとの関連性が高いユーザー群を軸に、グルーピングを行っています。そして、グルーピングのデータを元に見込みユーザーを推測し、行動を起こす確率ごとにユーザーをスコアリングしています。Lookalikeオーディエンスよりも絞り込む範囲が広く、ユーザー同士の類似性は保証されないため、ご注意ください。
LookalikeオーディエンスとSimilarオーディエンスの違い
LookalikeオーディエンスとSimilarオーディエンスの違いは、データを拡張するためのシード(種)です。Lookalikeオーディエンスは、ユーザーの情報を元に類似ユーザーを発見しますが、Similarオーディエンスは広告アカウントの情報を元に類似ユーザーを発見します。
ここでは、Lookalikeオーディエンスと同様に類似ユーザーを発見する拡張機能「Similarオーディエンス」と比較しながら、主な特徴を紹介します。
以下は、より詳細の項目別の比較です。
※CRITEO株式会社の媒体資料をもとに自社で表を作成
なお、LookalikeオーディエンスとSimilarオーディエンスは併用することも可能です。それぞれを上手く組み合わせれば、コンバージョンにつながりやすい新規ユーザーに向けて広告を配信できます。
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事例:Lookalikeオーディエンス実施によるターゲティングメニューの継続とCriteoリターゲティングの改善
Lookalikeオーディエンスの実施によってターゲティングメニューを継続すると、Criteoのリターゲティング効果にも変化が見られました。実際の事例において、どのような影響があったか紹介します。
クライアントの課題
本事例のクライアントは、Cookie制限が進行する環境下において、リターゲティング広告を中心に配信をしていました。そのため、Cookieを用いない、新しいターゲティング手法を発掘する必要がありました。
Criteoリターゲティング 対比
まず、Criteoリターゲティングの数値を基準として100%と仮定し、Criteo_コンバージョンLookalikeの数値と比較します。その結果、インプレッション(※11)やクリック数、CTR(クリック率)(※12)は、Criteoリターゲティングの方が高いことがわかりました。
申し込みと審査通過については、Lookalikeのコンバージョン率がCriteoリターゲティングよりも高くなり、CPA(※13)は低い結果でした。一方で、審査通過については、コンバージョン率がCriteoリターゲティングより低く、CPAが高い結果です。
※11:広告が表示された回数
※12:広告の表示回数に対するクリック数の割合
※13:1人あたりのコンバージョン獲得にかかった費用
他媒体リターゲティング 対比
次に、媒体Aの実績を100%と仮定したうえで、Lookalikeオーディエンスではどのような効果が得られたかを比較します。
今回の事例ではLookalikeオーディエンスは、媒体AよりCTRが高く、CPCも低い結果でした。
そのほか審査通過件数は、媒体A対比で低くはなるものの、CPAも低い結果でした。したがって媒体Aより費用対効果が高くなったため、今後も配信の継続が決定しました。
LookalikeオーディエンスのCriteoリターゲティングの並走実績
最後にLookalikeオーディエンスの配信後、Criteoリターゲティングにどのような影響があったのか確認します。Lookalikeオーディエンスの配信を開始してから申し込み件数、審査通過件数は、それぞれ緩やかながら増加し、6ヶ月後には、約2倍まで増加しました。
さらに、申し込みのCPAも改善されました。Lookalikeオーディエンスを配信する前と比べ、費用が減少し、最大-35%になる月もありました。
考察
申し込み件数の増加とCPA改善につながった要因は2点考えられます。
1点目は、過去のCriteoリターゲティングのコンバージョンデータを媒体の学習に活用できた点です。今回、リターゲティング広告を2年間実施していたことで、すでに十分な量の媒体のコンバージョンを蓄積していました。この実績が、Lookalikeオーディエンスの学習にも良い影響を与えたと考えられます。
2点目は、 CriteoのリターゲティングとLookalikeオーディエンスの同時配信によるユーザー数の増加です。Lookalikeオーディエンスは、コンバージョンの可能性が高い顧客にアプローチを図ります。そして、仮にコンバージョンに至らなくとも、リターゲティング広告の配信ユーザーとしてリストに蓄積され、コンバージョンにつながることもあります。その結果、Lookalikeオーディエンスでリストを蓄積し、リターゲティングで申し込み件数を増加する循環が生まれたと考えられます。
将来の展望
将来的には、さらにリターゲティング以外の施策での配信比率を拡大する予定です。
ターゲティングを拡大することで、リターゲティングの効果も改善され、良い循環が生まれるでしょう。
特に、ECサイトを運営する企業の場合、ユーザーの行動データを元に配信するダイレクト広告が重要です。ぜひ類似ユーザーの新規コンバージョン増加を見込めるLookalikeオーディエンスをご検討ください。
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