Criteoの計測の基本|押さえておきたい3つのポイント
CRITEO株式会社は、仏パリに本社を置く広告会社で、ダイナミックリターゲティング広告のパイオニアです。CRITEOが提供するダイナミックリターゲティング広告は、データフィードをもとに最適化が行われます。そのため、データフィード(※1)の生成が重要だといわれています。
今回の記事では、Criteo広告の計測について、「タグ」「フィード」「クリエイティブ」の三つの項目に分けて解説します。また、さまざまな広告媒体でデータフィードを管理するためのオプトの独自ツール「Feed Terminal」も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
Criteo広告の基礎は、こちらの記事にまとめています。
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※1データフィード:自社商品の名称やサイズ、色、在庫数などをまとめた情報を、広告配信先のフォーマットに変換して送信する仕組み
目次[非表示]
- 1.タグ
- 1.1.タグとは
- 1.2.Criteoのタグ
- 1.3.UniversalMatch(ユニバーサルマッチ)の導入
- 2.フィード
- 2.1.データフィードの役割
- 2.2.事例
- 3.クリエイティブ
- 3.1.ダイナミッククリエイティブの構成
- 3.2.運用ポイント
- 3.3.事例
- 4.Feed Terminal
- 4.1.役割
- 5.まとめ
タグ
CRITEOのダイナミックリターゲティング広告の計測を始める際に、最初に知っておきたい「タグ」について解説します。
タグとは
タグとは、次のようなユーザーの行動に関する情報を取得し、媒体に送信する役割を持つ仕組みです。
- ユーザーが、Webページのどの階層まで到達したか
- ユーザーが、何の商品を閲覧したか
タグを用いて計測されるユーザーの行動は、CRITEOのエンジンに読み込まれ、ユーザーごとにカスタマイズされた広告を表示するために活用されます。
計測したいWebページにタグを設置すると、CRITEOのダイナミックリターゲティング広告の計測を始めることができます。
Criteoのタグ
ここからは、CRITEOのタグについて解説します。
五種類のタグ
CRITEOには、次の五種類のタグがあります。
- トップページタグ:トップページに埋め込み、Webサイトから離脱したユーザーを計測できる
- 一覧ページタグ:カテゴリページまたは検索結果ページに埋め込み、特定の商品やカテゴリへのユーザーの興味・関心を計測できる
- 商品詳細ページタグ:商品詳細ページに埋め込み、特定の商品へのユーザーの興味・関心を計測できる
- カート・申込ページタグ:買い物かごページに埋め込み、商品をカートに入れたユーザーを計測できる
- コンバージョンタグ:購入完了などのコンバージョンページに埋め込み、商品を購入したユーザーを計測できる
それぞれのタグの設置場所や活用目的を、次の図の通りまとめました。
タグによって、埋める階層や取得する情報が異なるため、Webサイトの構造やページ構成、各ページから取得できる情報などをふまえて、タグを設置します。
第六のタグ
ダイナミックローダータグは、五種類のタグに埋められないページから情報収集するために使用するタグであり、次の三つのメリットがあります。
- ユーザーの行動履歴を漏れなく計測することで、サイト内で一ページしか見ずにそのままWebサイトから出てしまう直帰や、その他ページへの遷移を区別することができるため、Criteo AIエンジンによる正確な自動最適化につながる。
- ファーストパーティIDを共有できる
- 新機能を活用することができる(商品検索、カート追加、郵便番号など新機能が追加された場合に利用することが可能になる)
次の四つのような課題がある場合は、ダイナミックローダータグの設置を推奨しています。
- 直帰率が高い、または極端に低い場合
- ページの遷移率が低い場合
- VISITOエンジン(※1)、ROエンジン(※2)、予算優先エンジン(※3)を活用している場合
- Criteoの計測とGoogle Analyticsなどの第三者計測ツールと比較した際に、直帰率や遷移率に乖離がある場合
※1 VISITOエンジン:サイトへの流入増加をKPIとした手動入札エンジン。
※2 ROエンジン:ROASをKPIとした手動入札エンジン※3 予算優先エンジン:目標予算の消化をKPIとしたエンジン。
UniversalMatch(ユニバーサルマッチ)の導入
五種類のタグの実装に加えて、タグに関連する施策としてUniversal Matchの導入をおすすめしています。Universal Matchは、異なるデバイスやブラウザをまたいで使用した場合であっても、同一のユーザーを認識できる機能です。
ユーザーの識別は、ユーザーがWebサイトやアプリにログインした際に、CRITEOのタグを利用してメールアドレスを取得し、個人と特定できない暗号処理(ハッシュ化処理)をした値をもとに行っています。
Universal Matchの導入により、デバイスやブラウザを横断して的確なタイミングで広告を配信できるようになり、コンバージョン数の増加が期待できます。
フィード
フィードとは、Webサイトが保有するデータを配信先の広告媒体の仕様にあわせて加工し、アップロードする仕組みです。
データフィードの役割
CRITEOのダイナミックリターゲティング広告では、データフィードの情報(画像や価格など)をもとに広告バナーが生成されます。正確な情報を掲載したクリエイティブを生成するためには、データフィードの正確さが重要といわれています。また、データフィードをもとに商品のカテゴリも設計されます。
次の図には、広告クリエイティブが、データフィードの情報をもとに作成されると、どのように表示されるかの一つの例をまとめました。
図の右側にある「バナー構成のイメージ」のように、データフィードの情報が整理されていると、配信先の広告媒体の仕様に合わせて自動でクリエイティブが生成されます。
事例
メーカー業界のECサイトの事例では、データフィードの項目の一つであるトップスやアウターなどの「商品カテゴリ」をサイトのユーザー特性に合わせて変更したことにより、CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)が14倍に上昇しました。
プロダクトタイプの変更により、バナー内の商品選定ロジックが変わり、バナー内の商品選定がよりユーザーのニーズに合うものになったためと考えられます。
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クリエイティブ
CRITEOでは、広告主に適したユーザーに対して、パーソナライズされたダイナミッククリエイティブを配信します。
ダイナミッククリエイティブとは、ユーザーのWebサイト閲覧履歴などの行動履歴をもとに、ユーザーごとにカスタマイズされた広告クリエイティブを自動で生成して掲載できる広告配信手法です。
ダイナミッククリエイティブの構成
ダイナミッククリエイティブは、「グリッド」と「商品ビュー」を管理画面上でかけ合わせて作成されます。
グリッドには、次の種類があります。
グリッドを選んだ後、商品ビューを選ぶと、以下のようにクリエイティブデザインが自動生成されます。
CRITEOには、各業界に合わせたクリエイティブレイアウトが用意されています。そのため、自社の商品に適したクリエイティブデザインを選ぶことができます。
運用ポイント
CRITEOのダイナミックリターゲティング広告には、クリエイティブに注目を集めてCTR(クリック率)の改善を図る手法があります。
例えば、次の図のように、複数の商品をレイアウトしたクリエイティブと、単独商品をズームアップしたレイアウトのクリエイティブを交互に表示させることで、ユーザーの注目を得ることができます。
事例
ECサイトの事例では、ほとんどのユーザーがスマートフォンを使用して、ダイナミック広告を閲覧していました。この点に注目し、クーポンの表示をクリエイティブのなかのロゴのサイズから、クリエイティブ全体を使ったフルサイズに変更して画像の切り替えを行ったところ、CVRが125%に伸長しました。
商品情報をメインに掲載したクリエイティブとフルサイズのクーポンが交互に表示され、ユーザーの注目を得たことで、CVRの伸長に成功できたと考えられます。
Feed Terminal
ここでは、オプトが独自に開発・提供しているデータフィードマネジメントツール「Feed Terminal」を紹介します。
オプトは、Criteo製品の継続的な販売実績と高品質な運用実績を有する代理店に与えられる「Criteo Certified Partner(認定パートナー制度)」において「SAPPHIRE」に認定されています。また、2023年には、CRITEOが開発した新しいプロダクトを活用し、顧客のマーケティング支援を行ったパートナーに贈られる「New Solutions Partner of the Year」を受賞しました。
これらの知見を用いて、開発および提供しているのが「Feed Terminal」です。
役割
「Feed Terminal」は、広告主と媒体の間で次の役割を果たします。
「Feed Terminal」は、配信媒体によって異なる広告フォーマットに合わせて、商品情報データを自動変換して広告用フィードを生成するツールです。データ作成・設定をひとつの画面で管理することが可能で、配信実績等のデータなどを掛け合わせることができるため、より広告効果の高い運用を実現できるソリューションです。
「Feed Terminal」の詳細はこちらからご確認いただけます。
まとめ
Criteo広告のようなダイナミックリターゲティング広告で成果を出すためには、データフィードの整理が大切です。
本記事で紹介した「タグ」「フィード」「クリエイティブ」は、CRITEOのダイナミックリターゲティング広告を配信・計測する際に、知っておきたい基礎的な情報です。
ダイナミックリターゲティング広告を提供する複数の媒体でデータフィードを活用する際は、媒体ごとに異なる広告フォーマットに合わせてデータフィードを生成します。これを手動で行う手間を軽減するために、「Feed Terminal」の活用を検討していただきたいと思います。
「Feed Terminal」であれば、生成したデータフィードを、Google、RTB House、CRITEOをはじめとした、さまざまな広告媒体に連携できます。
また、オプトは、さまざまな業種・業態の広告主の支援をしているため、効果や効率の良いクリエイティブのトレンド、データフィードに関する知見やノウハウを持っています。ダイナミックリターゲティング広告の施策について支援をご希望の方、広告効果に関するお困りごとがある方は、ぜひお問い合わせください。
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