GA4の計測環境と注目すべき機能

GA4の計測環境と注目すべき機能!従来版GAとの違い・計測差異も紹介


2022年3月、これまで多くの人に使われてきたユニバーサルアナリティクス(以下、「従来版GA」)のサポート終了が発表されました。2023年7月1日には無償版が計測停止になっており、2024年7月1日には有償版が計測停止になります。そのため、Webサイトの計測を必要とする場合は、アクセス解析ツールとしてGoogle Analytics 4(以下、「GA4」)を使う必要があります


しかし、GA4と従来版GAにはさまざまな違いがあります。そこで、今回の記事ではGA4と従来版GAの違いを中心に、今後のアクセス解析に必要な知見を紹介します。昨今のアクセス解析の流れにも触れているので、最後まで読んで詳細を把握してみてください。



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目次[非表示]

  1. 1.GA4と従来版GAの違い
    1. 1.1.計測環境の違いに対応したユーザー識別を実現
    2. 1.2.イベントベースのモデルを利用して計測
    3. 1.3.1つのプラットフォームで統合分析できる
    4. 1.4.分析ツールの利用・データ移行が可能に
  2. 2.GA4の3つの新機能
    1. 2.1.YouTube広告接触ユーザーのコンバージョンレポート
    2. 2.2.機械学習を活用した予測機能
    3. 2.3.オーディエンストリガー
  3. 3.GA4と従来版GAにおける計測の差異
  4. 4.まとめ


GA4と従来版GAの違い


はじめに、GA4と従来版GAの違いから確認していきましょう。そもそも、GA4は、世界的にCookie利用の制限が起こるなかで、ユーザー行動の多様化に対応できるように開発されたマーケティングプラットフォームです。


以下では、GA4と従来版GAの4つの違いを解説します。


計測環境の違いに対応したユーザー識別を実現


一つ目の違いは、ユーザーの識別に関するものです。従来版GAでは、ほとんどのレポートがデバイスIDをベースにした識別により作成されていました。デバイスIDに依存する形でレポートを作成しており、複数のデバイスにわたるユーザーの行動経路の計測、ユーザーの重複排除が難しいという特徴がありました。


一方で、GA4ではデバイスIDのみならず、次の2つも利用して計測できます。


・Googleシグナル
・顧客側が設定する顧客ユーザーID


具体的には、顧客ユーザーID>Googleシグナル>デバイスIDの順にユーザーを特定していく形となります。そのため、複数のデバイスにわたるユーザーの行動経路を計測しやすくなっており、行動分析の精度改善が期待できます


イベントベースのモデルを利用して計測


二つ目の違いは、計測モデルに関するものです。従来版GAでは、セッションを基準にしてユーザーの行動を計測していました。セッションとは、特定の時間内に発生したユーザーの一連の行動です。

こうしたセッションベースの計測では、同一のサイトを同じユーザーが複数回訪問した場合、それぞれ別のセッションとして認識されてしまうケースがあります。つまり、コンバージョンにつながらなかったセッションが最終的なコンバージョンに対して果たした役割を正確に分析できないという課題がありました。


これに対して、GA4ではセッションベースの計測に加えて、イベントを基準にしてユーザーの行動も計測できるようになっています。イベントは、ユーザーが起こした行動の総称です。そして、イベントベースでの計測においては、ユーザーに焦点が当てられているため、ユーザーの同一性を正しく把握しつつ、一つひとつの行動を分析できるようになりました


その結果、「初回訪問はリスティング広告、その後にSNSおよびYouTubeから訪問してコンバージョンする」といった傾向が把握しやすくなっています。


1つのプラットフォームで統合分析できる


三つ目の違いは、分析プラットフォームに関するものです。従来版GAでは、ウェブとアプリの分析プラットフォームが分断されていましたが、GA4では同一のプラットフォームで統合分析できるようになっています。

ウェブとアプリで共通の指標が使われるようになるため、ウェブとアプリを横断するユーザーの行動をより正確に把握できます


分析ツールの利用・データ移行が可能に


四つ目の違いは、分析ツールの利用とデータ移行に関するものです。従来版GAでは有償版のみで提供されていた機能が、GA4で使用できるようになりました。


また、「BigQuery」のエクスポート機能を用いて、アナリティクスのデータをBigQueryにエクスポートできるようにもなりました。そのため、データをクラウドに保存し、他のソースからのデータを組み合わせた分析や、他の任意システムへのデータ移行も可能となります。


GA4の3つの新機能


ここまで見てきたように、GA4ではユーザーの行動をより正確かつ高度に分析できるようになっています。また、以下で紹介する3つの新機能も搭載されるので、GA4は強力なアクセス解析ツールになることが予想されます。


YouTube広告接触ユーザーのコンバージョンレポート


GA4の一つ目の新機能は、次の3つのコンバージョンデータの比較です。


・アプリ面配信を含むYouTube動画広告視聴経由のコンバージョンデータ
・上記以外の広告チャネル経由のコンバージョンデータ
・オーガニックチャンネル経由のコンバージョンデータ


3つのデータを比較できるため、各種のマーケティング活動の効果を相対的に把握できます。


機械学習を活用した予測機能


二つ目の新機能として、GA4には機械学習が導入されます。そのため、過去のデータから次のような将来の行動の可能性を予測しやすくなっています。


・購入の可能性
・離脱の可能性

また、こうしたユーザー分析のみならず、Google広告とGA4アカウントの連携により、予測指標に基づいたオーディエンスリストへの広告配信ができるようになりました。


オーディエンストリガー


三つ目の新機能は、複雑なオーディエンストリガーの設定です。設定例として、以下の図をご覧ください。


GA4オーディエンストリガー設定例


このように従来版GAと比較して、オーディエンストリガーを複雑に設定できるようになっています。Google広告と連携して、入札戦略に反映することもできます。


GA4と従来版GAにおける計測の差異


それでは、GA4と従来版GAによる計測では、どのくらいの乖離幅が生じるのでしょうか。以下の図は、参照元およびメディア別にGA4と従来版GAのコンバージョン数を比較したものです。


GA4と従来版GAにおける計測差異


参照元およびメディアにより異なりますが、弊社がこれまでに確認してきたなかでは、数字の乖離幅は±10%程度になると考えられます。(※上記の表は母数が数件のため10%以上になっています。母数が100件以上であれば概ね±10%になる想定です。)


こうした乖離幅が生じる理由は、ここまで解説してきた通り、GA4と従来版GAではユーザー識別の方法や計測モデルが異なり、クロスプラットフォーム計測への対応力も違うためです。GA4の使用に際しては、従来版GAとの数字の乖離幅を調べてみてください。


まとめ


以上のように、従来版GAの無償版は2023年7月1日から計測停止になっており、有償版は2024年7月1日から計測停止になります。そのため、今後のアクセス解析にはGA4を利用する必要があるでしょう。GA4では、ユーザー識別に使う要素や計測モデルの変更がなされています。変更についてあらかじめ把握し、備えておいてください。


GA4は、各デバイスを横断した計測、ウェブとアプリを統合した計測がより正確にできるようになっています。複数のコンバージョンレポートの比較、機械学習を利用した予測機能なども搭載されます。


GA4を使いこなせば、これまで以上に精度の高い分析が期待でき、デジタルマーケティング戦略にも役立つでしょう。今回の記事で紹介したGA4の特徴を把握し、適切な移行計画を立ててみてください。その際、従来版GAとGA4における数字の乖離幅も確認してみましょう。


オプトでは、GA4への移行に関する疑問点の解消およびGA4を利用した戦略立案の支援も行っています。GA4への利用について、より踏み込んだ内容を知りたい場合はぜひともお問い合わせください。

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