【事例あり】P-MAXキャンペーンの特徴およびメリット・デメリット
2021年11月から、Googleの全ての広告アカウントで使用できるようになったP-MAXキャンペーンは、「Performance Max キャンペーン」の略であり、広告運用のパフォーマンスの最大化を目指すことを目的とするメニューです。
自動調整機能に優れたP-MAXキャンペーンは、D2C業界でも多く取り入れられていますが、その特徴や活用の意義をあらためて確認したいという方も多いでしょう。
そこで、本記事では、P-MAXキャンペーンのメリットおよびデメリット、設定項目と設定手順を紹介します。P-MAXキャンペーンを用いて成果を出した事例にも触れていますので、ぜひご覧ください。
オプトのメールマガジンでは、デジタルマーケティングに役立つ事例をはじめ、セミナー開催情報、お役立ち資料、最新メディア情報などをお届けします。
目次[非表示]
- 1.P-MAXキャンペーンとは
- 2.P-MAXキャンペーンのメリットとデメリット
- 3.P-MAXキャンペーンの配信方法
- 3.1.P-MAXキャンペーンに適した案件
- 3.2.設定項目と設定手順
- 3.2.1.予算・入札単価を設定
- 3.2.2.地域・言語・最終URLを設定
- 3.2.3.アセットを設定
- 3.2.4.オーディエンスシグナルを設定
- 4.配信事例
- 5.まとめ
P-MAXキャンペーンとは
P-MAXキャンペーンは、パフォーマンスの最大化を目指すことを目的とした広告メニューであり、従来のキャンペーンと次のような違いがあります。
P-MAXキャンペーンは配信面が豊富であり、自動で対応できる項目が多い点が特徴の一つです。
P-MAXキャンペーンは、検索面とディスプレイ面を横断して広告を配信するメニューであり、他のキャンペーンと補完関係にあります。また、検索広告に近い効果が期待できるため、購入や申込みといった行動を検討しているユーザーとの親和性が高いメニューです。
P-MAXキャンペーンのメリットとデメリット
豊富な配信面を持つP-MAXキャンペーンを使いこなすために、ここで、そのメリットとデメリットをお伝えいたします。
メリット
豊富な配信面を持つP-MAXキャンペーンでは、一つの広告キャンペーンで、Google Chromeの検索画面、YouTube、Googleショッピング、Google Discover、Gmail、Googleマップなどに広告を掲載できます。そのため、これまでリーチできていなかったユーザーに広告を届けられる可能性が高くなります。
また、P-MAXキャンペーンでは複数の配信面におけるデータを活用して最適化設定が行われます。単一の配信面で最適化を目指す場合と比較して、コンバージョンなどの成果につながりやすいと考えられています。
デメリット
P-MAXキャンペーンでは、各項目が自動で最適化設定されます。「予算」と「クリエイティブアセット」は各自で設定できますが、予算配分、入札、ターゲティングは自動で最適化設定されるため、人の手による細かな調整ができない点はP-MAXキャンペーンのデメリットの一つです。
また、他のキャンペーンと比較すると、P-MAXキャンペーンのレポートは確認できる項目がわずかです。そのため、レポートから広告の詳細な成果に関する分析には適さない特徴もあります。
オプトのメールマガジンでは、デジタルマーケティングに役立つ事例をはじめ、セミナー開催情報、お役立ち資料、最新メディア情報などをお届けします。
P-MAXキャンペーンの配信方法
前述したメリットとデメリットをもとに、P-MAXキャンペーンを活用していきましょう。
P-MAXキャンペーンに適した案件
Google社は、P-MAXキャンペーンと既存のキャンペーンの併用を勧めています。例えば、検索キャンペーン(検索結果に表示されるテキスト広告*¹)とP-MAXキャンペーンを併用すると、Googleのサービス全体でのコンバージョン数の最大化を目指すことが期待できます。
そのため、既存のキャンペーンがすでに稼働しているなかで、さらにコンバージョン数を増やす場合、P-MAXキャンペーンが有効です。また、新規配信を行うチャンネルでの成果拡大を目指す場合にも効果が期待できます。
*¹出典:Google「Google広告ヘルプ」
設定項目と設定手順
Googleの既存のキャンペーンは「キャンペーン、広告グループ、広告」という構成を持っていましたが、P-MAXキャンペーンは「キャンペーン・アセットグループ」という構成であり、それぞれ次の項目を設定できます。
・キャンペーン:予算・入札単価・地域
・アセットグループ:アセット・オーディエンスシグナル
P-MAXキャンペーンの作成後に行う項目の設定について、配信手順とあわせて以下にまとめました。
予算・入札単価を設定
キャンペーンにおける「予算」では、1日あたりの平均費用を入力します。「入札単価」では、優先する要素としてコンバージョンかコンバージョン値を選択し、目標とするコンバージョン単価を任意で設定できます。
地域・言語・最終URLを設定
「地域」では、「すべての国と地域」「日本」「別の地域を入力する」から適切なものを選択します。また、「言語」では、ユーザーが使用する言語を入力または選択し、「最終URL」にはユーザーが広告をクリックした際に表示するページを入力しましょう。
アセットを設定
アセットグループにおける「アセット」には、画像、ロゴ、広告見出し、説明文、動画が含まれており、広告配信時にこれらが自動的に組み合わされて表示されます。広告プレビューで、アセットの組み合わせを確認しながら設定してみてください。
オーディエンスシグナルを設定
「オーディエンスシグナル」の設定は任意のため、既存キャンペーンで効果の出ているオーディエンスがある場合は登録しましょう。
以上で、P-MAXキャンペーンの設定が完了します。
配信事例
ここからは、P-MAXキャンペーンと既存のキャンペーンを併用して成果を出した事例を紹介します。
クライアントの課題
本事例は、スキンケア業界における事例です。スキンケア業界は、競合他社の参入も多く市場としても既にレッドオーシャンであると言えます。こうした環境において、クライアントは自社のファンの増加を課題に挙げていました。
オプトはその課題を更に二つに分類し、それぞれにアプローチしていきました。
・商品の新規購入者の増加
・商品購入者のファン化
施策
今回は、一つめの商品の新規購入者の増加を目的とした施策をご紹介します。
自社の商品の新規購入者を増やすという課題をふまえて、オプトでは、Google広告を用いた販売キャンペーンの成功を「新規購入数の最大化」と定義付けました。そのうえで、次の2つの施策を展開しました。
・検索キャンペーン
・P-MAXキャンペーン
本事例では、検索キャンペーンとそしてP-MAXキャンペーンを並走させています。また検索キャンペーンにおいては、キーワードの部分一致も十分に活用しており、検索クエリを十分に拡張した状態で、更にP-MAXキャンペーンを並走させ、検索キャンペーンでカバーできていなかったユーザーへの配信を行いました。
元々は検索キャンペーン以外に、動画アクションキャンペーン(一つの自動キャンペーンを使用してYouTubeおよびそれ以外のさまざまな場所でコンバージョンを促進できる方法*²)やスマートショッピングキャンペーン(キャンペーンの管理が容易になり、コンバージョン値を最大化して、リーチも拡大できる方法*³。現P-MAXキャンペーン)を実施し、配信面を分けていたものをP-MAXキャンペーンに統合しデータの分散を防ぐ設計にしました。
さらに、オプトのマーケティング支援ツール「ONE's Data」を活用して基幹データと媒体データを繋ぎこみ、新規購入者のみのデータを媒体に返すことで、新規購入者に配信が強化されるような仕組みを取り入れました。
*²出典:Google「Google広告ヘルプ」
*³出典:Google「Google広告ヘルプ」
結果
これらの結果、P-MAXキャンペーンを開始する前と比較して、半年後には新規購入者数を1.5倍に伸長できました。検索キャンペーンとP-MAXキャンペーンを組み合わせて、検索・ショッピング面に訪れたユーザーに対して、広告による購入の後押しが十分にできたためと考えられます。
まとめ
P-MAXキャンペーンは、パフォーマンスの最大化を目指すことを目的とした広告メニューであり、従来のキャンペーンと比較して自動化されている設定や機能が多いという特徴を持っています。
また、P-MAXキャンペーンは、一つの広告キャンペーンでGoogle広告のあらゆる配信面に広告を掲載できるため、今までアプローチできなかったユーザーに広告を届けられる可能性が高くなります。一方で、特定リストのユーザーに配信できない、詳細な成果測定に向かないというデメリットもあります。
このようなP-MAXキャンペーンは、既存のキャンペーンが稼働しているなかで、さらにコンバージョン数を増やすような場合に向いています。紹介した事例も参考に、P-MAXキャンペーンに取り組んでみてください。
オプトには、さまざまな業界でP-MAXキャンペーンの成果を出してきた実績があります。広告に関してお悩みがある場合は、ぜひお問い合わせください。
オプトのメールマガジンでは、デジタルマーケティングに役立つ事例をはじめ、セミナー開催情報、お役立ち資料、最新メディア情報などをお届けします。