「同じモデル・同じ商品で、背景だけ変えたバリエーションを量産したい」

——そんな日、ありますよね。

今回はGoogleの画像生成・編集モデルNano Bananaを実際に触り、
“画像内オブジェクトの一貫性”がどこまで効くのかをマーケ視点で確かめました。

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Nano Bananaとは? – 概要と主な特徴

まずはサクッと全体像だけ。
Nano Bananaは、テキスト指示で画像生成画像編集もできるモデルです。触ってみて感じた強みはこの3つ。

  • 高品質 × 速さ:待ち時間少なめで、それっぽい画がすぐ出る
  • 直感的な部分編集: “ここだけ直して” が通じる(色替え・削除・差し替えなど)
  • 見た目の一貫性:人やモノの特徴を保ったまま、別シーンへ展開しやすい

できることの例としては——

  • 複数画像の自然な合成(商品写真+背景を一枚に)
  • テキストでのピンポイント修正(「背景をぼかして」「ロゴは残して文字は消す」など)
  • 文字要素の描画(看板・ポスターの文字が崩れにくい印象)

まとめると:「ブレない主役 × 短時間で差分」を作る場面で、実務的に効きます。

🚀 実際に使ってみた!— 失敗→再生成でリカバリー

いきなりですが、まずは読者の皆さんに“引っかかりポイント”を共有させてください。
今回はペプシ缶コーラ缶の2枚を並べ、背景を砂漠に。よくある「並べ替え+背景差し替え」の小タスクです。

プロンプト(初回)
与えられた二つの画像に写っている商材を横に並べて配置してください。
背景は砂漠にし、強い日差しが照りつけている様子を表現してください。

結果は…

悪くない。でもペプシ缶の下部に“本来ないはずの文字”が出現

「え、そんなデザインあったっけ?」と目が止まります。
学習のバイアスや既存デザインの混入で、“それっぽい補完”が起きること、ありますよね。

ここで終わらないのがNano Bananaの良さ。
部分編集で狙い撃ち修正します。

プロンプト(再編集)
二つ目に与えられた缶の画像について、赤と青に囲まれた中央の文字は残し、 缶の下部にある文字は削除してください。 他の要素には影響を与えないでください。

再生成の結果

気持ちよく直りました。ペプシ缶だけに作用し、コーラ缶や背景は無傷。

この「オブジェクト単位で一貫性を保ちながら、不要な変化は起こさない」挙動、
運用者としてはかなり安心感があります。

ちなみに:

  • 初稿で“違和感を見つける”のは人間の得意技
  • 微修正はAIに投げるのが相性◎

この分業がハマると、制作サイクルが気持ちよく回ります。

※ Google AI Studio の models/gemini-2.5-flash-image-preview で試しています。

📝 マーケでどう使う?— 現場の使いどころを具体化

「で、明日からどこに効くの?」という問いに、実務目線で答えます。

  • SNS量産
    同じ商品・キャラを見た目そのままで、季節や場所だけ差し替え。
    企画〜初稿の時間を圧縮、A/B差分も素早く。

  • 広告バナーのバリエーション
    テキストちょい替え・構図微調整・背景差し替え——差分生成が手早い
    撮影や素材探しの固定費を軽くして、テスト回数を増やせます。

  • ブランドの一貫性維持
    キャンペーン全体で“主役の見た目がブレない”のは強い。
    同じ人物・同じ商品を、別シーンに展開しても統一感が保ちやすい。

  • EC/カタログのバリエーション
    色違い・背景違い・使用シーン違いをテンプレ維持で中身だけ差し替え
    一覧の“揃い感”が出せるので、比較・回遊もしやすく。

ちょっとした注意:商標・著作権などの権利配慮は運用側でしっかり。

(実画像の扱い・合成の仕方は、社内ガイドラインに寄せておくと安全です。)

💡 Tips — 一貫性をさらに安定させる書き方

  • 対象の特徴を短く箇条書き(色・形・質感・ロゴ位置など)
  • 編集範囲を明示(「Aは残す/Bだけ消す/Cには触れない」)
  • 固有名詞の扱いは慎重(意図と違う“盛り”が出る時は記述を限定)
  • 違和感は小さく速く直す(再編集を前提に、まずは初稿を早く出す)

✅ まとめ

Nano Bananaは、“主役はそのまま、周りだけ変える”を素早く回すのが得意。

初稿づくり、差分量産、ピンポイント修正——
マーケの制作フローにそのまま差し込めるのが魅力でした。

「まず小さく試す → 違和感は再編集で潰す」。このリズム、きっと現場でハマります。

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