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いよいよ現実に。動画生成AI「Veo3」で、社内の動画制作が変わる。

「動画を作りたいけど、毎回外注はコストも時間もかかる」
「AI動画生成が話題だけど、結局どれが使えるの?」

そんな声が、マーケティング・広報・人事など、あらゆる部署で増えてきています。
そこで注目したいのが、Googleが2025年5月に発表した最新の動画生成AI『Veo3』です。

本記事では、Veo3の魅力や、ビジネス現場での活用方法、そして使う上での注意点まで、わかりやすく整理してご紹介します。

“誰でも動画が作れる時代”へ。

動画制作にはこれまで3つの大きなハードルがありました:

  • 時間がかかる(企画・撮影・編集…)
  • コストが高い(外注すると数十万円以上)
  • 専門スキルが必要(映像編集ソフトやナレーション技術など)

ところが、2024年にOpenAIが発表した「Sora」以降、動画生成AIの進化が一気に加速。
Runway、Klingなど多くのツールが登場し、“誰でもAIで動画を作れる時代”が到来しました。

そして今、その「次のステージ」を切り開いたのが、GoogleのVeo3です。

Veo3とは?(Googleが生んだ次世代AI動画生成)

Veo3は、テキストや画像の指示から数秒~十数秒の高精度な動画を自動生成するツールです。
従来のAI動画と決定的に違う点は、以下の3つ:

✅ 音声が“ネイティブで生成”される

テキストを入力するだけで、動画と完全に同期した音声が自動で生成されます。
これは、まさに“無音のサイレント映画”だった従来のAI動画を超える革命です。
※Flow上の音声生成は実験段階のため、生成されないことがあります。音声生成を成功させるコツはこの後の章で紹介します。

✅ Googleの資産(大量のデータ)を学習

Googleの最先端モデル群(Veo/Imagen/Gemini)と研究体制により、自然で破綻の少ない映像を作れます。 映画制作者と共同開発された「Flow」により、シーンの意図を汲み取った演出も可能です。

✅ 月額2,900円~で使える(Google AI Proプラン)

初月は無料トライアルあり。プロトタイピングやSNS動画作成に最適なコスト感です。

具体的にどう使える?活用イメージ

マーケティング/広告
X、Instagram、YouTube Shorts、TikTokなどのSNS向け動画を、大量に生成
コンセプト動画を複数作り、ABテスト→訴求最適化へ活用

人事・広報・社員
インタビュー風のアニメーション生成(顔出し不要)
採用説明会用のビジョンムービー生成

コーポレート/営業資料
プレゼン資料のストーリーに合わせて動画で表現
スライドの内容をナレーション付きで動画に変換


🔧 上手に使うためのTips集

活用ノウハウ

内容

🎙️ 音声付きにしたい

セリフ文と語尾に「in Japanese」を入力する

🗣️ 日本語を自然にはなさせるには?

短い文を連ねる/やさしい語彙にすると安定しやすい傾向(制作した中での経験則)現時点では違和感のある発音が多い。

🎬 ストーリー風動画にしたい

ChatGPT・Gemini等を使い、「veo3用のプロンプトを作って」と指示する

👤 人物の一貫性

Googleが出しているFlow「シーンビルダー機能」で一貫した動画を作れる

👤特定の部分だけに動きを付けたい

動かしたい画像をフレームで囲い、どう動かすかの指示を記入(アノテーション方式)。 「アドリブ禁止」とプロンプトで指示すると余計な動作をするのを防げる。

シーンビルダーとは:複数のAI生成クリップをつなぎ合わせる技術です。
veo3は短尺クリップ(例:8秒前後)を基点に、シーンビルダー機能によってクリップをつなぎ合わせて長い動画を作成できます

アノテーション方式とは:動画にしたい画像にフレームとテキストを使って指示を記入することで、指示通りに動画を生成することができる制作方法の一つです

※セリフ以外のプロンプトは英語での記載を推奨します。精度が上がりやすく、Flowは英語前提で最適化されています。

商用利用に関する注意点

2025年8月時点、 商用条件は“どこから使うか”(Flow/Gemini/Vertex AI)で異なります。
Flowで作った動画は必ずSynthID(不可視)が入り、 Proは可視の透かしが付きます( Ultraは可視透かしなし)。

さらに、 機能が正式版(GA)かプレビュー(Preview)かでも扱いが変わります。
本番用途は Vertex AI の規約と社内ルールを必ず確認してください。 ( Googleヘルプ, labs.google)

補足:Vertex AIのVeo 3(Preview)は、Google公式ドキュメント上商用・本番利用も“選択可能”と明記されています(Pre-GA条項の対象)。エンタープライズでの厳密運用は、該当条項を必読のうえ社内方針と合わせて判断を。 (Google Cloud)

※生成AI業界では、 Adobe Fireflyなど一部ツールが商用利用・IP補償(条件付き)に対応しています。比較時の安心材料として有効です。 ( Adobeヘルプセンター, business.adobe.com)

まとめ:動画制作の“民主化”が、もう始まっている

Veo3の登場は、「動画は専門職が作るもの」という常識を覆す出来事です。

  • 動画はもう、“アイデアをその場で形にする”ツールになる
  • 社内で誰もがクリエイティブに関われる時代がやってくる
  • ビジネスの仮説検証が、動画レベルで高速化される

そんな未来を、いち早く手にできるのが、今このタイミングです。

ご相談ください:業務課題に対するAI活用をお考えの方へ

弊社では、クライアントの業務課題に対して、

AI技術と業界知見を掛け合わせたソリューション提案を行っております。

  • 業務効率化や自動化の可能性を検討したい
  • 社内のデータを活かして、AI導入を進めたい
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など、どんな段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

🗂️ おまけ:Veo3を使い始めるステップ(最短3分)

  1. Google One AI Premiumプラン に加入(初月無料)
  2. 招待を受け取ったら、Gemini/Flowで利用可能(Flowでの利用がおすすめ)

※Flowは対応地域とプラン(Google AI Pro/Ultra)により利用範囲が異なります。最新のサポート地域と機能対応は公式ページをご確認ください。

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